「マツコの知らない世界」で辞書が取り上げられ、改訂ラッシュで生まれた新語、削除された言葉などが紹介されました。
ゲストには、30年間辞書を調べ続ける飯間浩明さんが登場し、辞書の楽しさを教えてくれます。
マツコと辞書
「マツコの知らない世界」に30年間辞書を調べ続ける飯間浩明さんが辞書の回に登場し、新しく追加された新語、削除された言葉などを紹介しました。
今年は改訂ラッシュで、辞書から消えてしまう言葉、新しく追加された言葉があり、各出版社の辞書が作られています。
各出版社によって、辞書の編み方は異なり特色があるのも面白い点ですね。
ここで、有名辞書の紹介をしたいと思います。
三省堂の国語辞典
三省堂の国語辞典(第八版)は、3,500語の新語を追加して編まれています。
収録項目数は約84,000。新語には「マリトッツォ」「ポチる」といった日常に溢れる言葉が追加されています。
また、辞書を出版している三省堂では、「今年の新語」を募集し、新語を選考しています。
2022年11月30日に今年の新語が発表される予定です。
岩波の国語辞典
岩波国語辞典(第八版)は2019年に10年ぶりの改訂となりました。
「百年の日本語」を基本姿勢にしていて、伝統と格式を重んじている辞書です。
日常のコミュニケーションで使われる言葉だけではなく、「読む、書く、話す」場面での多様な言葉を大切にしている特徴があります。
新明解国語辞典
9年ぶりの全面改訂となった新明解国語辞典(第八版)。
新語、新項目が約1,500語追加され、収録項目数は79,000となりました。
文法欄が充実され、細かな解説となっています。
また、言葉のアクセントまで表記されている点も特徴となっています。
時代を反映する新語
辞書に加わる新語は時代を反映するものが多くあります。
例えば、三省堂の国語辞典には新語として「デジタル庁」「ソーシャルディスタンス」「黙食」などが加えられました。
各出版社の辞書が改訂ラッシュを迎えていて、時代の変化にあわせて新語が追加されています。
こうした新語は、編集委員の方達が会議を重ねた末に、辞書にのることになるのです。
削除される言葉
改訂で新語が生まれる一方で削除される言葉もあります。
古い言葉、使われなくなった言葉などは辞書から消えることがあります。
例えば、「MD」「レーザーディスク」「コギャル」など、現在ではあまり使われなくなった言葉が、三省堂国語辞典から姿を消しています。
辞書の世界を振り返って
マツコの知らない世界を見て、辞書が改訂を繰り返し、言葉を取捨選択していることを改めて知りました。
少し前にヒットした三浦しをんさんの小説「舟を編む」では、辞書を編纂する過程が描かれています。作中では、壮絶な努力を重ねて、編集者達が言葉を選んでいく様が描かれていました。
普段何気なく使っている言葉ですが、辞書で調べてみると、思いがけない発見があったりするものです。
世に溢れる言葉を一つずつ解説し、後世に残すために編纂された辞書は、知の結集なのだと感じました。
現在では電子辞書が登場し、いくつもの辞典が収録されているものがありますが、時には紙媒体の辞書を手に取ってみるのも良いかもしれませんね。